ボーイズバーとは
カウンター越しにお酒類を提供する飲食店のことをバーと呼びますが、その中でも男性スタッフのみで構成されているバーのことを特にボーイズバーと呼びます。
業種として誕生したのがいつ頃なのか、明確な情報はありません。
2010年頃からボーイズバーを名乗って営業する店舗が見られるようになり、徐々にその数は増えています。
法律上の分類
ボーイズバーは通常のバーと同様に深夜酒類提供飲食店営業に分類されます。
これは深夜0時以降にお酒を主として営業する飲食店が対象であり、居酒屋やスナックと同じです。
※食事の提供が主であるファミレスやラーメン・牛丼屋などとは違います。
営業時間
ボーイズバーには基本的に営業時間の制限はありません。
スタッフを十分に確保できれば24時間営業も可能です。
しかし、実際に24時間営業を行っている店舗はほとんどありません。
18時〜21時頃から開店し、明け方5時〜6時頃まで営業する店舗が一般的です。
店舗の規模・広さ
ボーイズバーにはあまり大きな店舗は存在しません。
ホストクラブで言うところの「小箱」に該当するような10〜20坪くらいの店舗が一般的です。
カウンターの他にテーブル席が少しあるくらいです。
ゆったりとお酒を楽しむにはちょうど良いサイズの店舗が多いです。
業種解説:ホストクラブ
接客スタイル
一般的なバーのスタッフと大きくは違いません。
注文を受けてお酒を作ったり、後片付けを行ったりしつつ、その合間にお客様と会話をします。
ホストとは異なり、1人のお客様だけに専念するわけではありません。
常に周囲に気を配り適宜対応する必要があります。
友人・知人と連れ立って来店するお客様も多く、お客様同士で会話を楽しんでいる場面も多々あいります。
そんな時は無理に会話に入る必要はなく、あたかもその場に存在していない「空気」のようになることも求められます。
料金体系
ボーイズバーの料金は主に以下の4つを合計したものです。
全体的にホストクラブよりはリーズナブルですが、一般的なバーに比べると少し高級です。
- ドリンク・飲食代
-
お客様が注文したドリンク・フードの代金です。
高いお酒もありますが、1,000円前後で飲めるお酒も多いので通常のバー感覚でも楽しめます。
- チャージ料金(テーブルチャージ)
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席料のことです。
限られたスペースを確保する為に支払う代金。
ボーイズバーの場合は時間ごとに料金が発生する場合が多いです(1時間○○円など)。
※入店時の1回分のみの店舗もあります
- TAX(税)
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物やサービスを購入した際に支払う消費税です。
店舗によっては後述するサービス料をこちらに加算する場合があります。
- サービス料
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お客様へ提供するサービスに対する代金です。
固定額ではなく、飲食代に%でかけられます。
割合は各店で異なり、約10%〜30%ほどです。
ボーイズバーの料金を知ることはお客様側からしても重要ですが、働く側にとっても無縁ではありません。
後述する給料システムで触れますが、売上額から換算する歩合給が存在しますので基本的な仕組みは知っておいて損はありません。
年齢制限
法律上、働く側も利用する側も18歳未満はNGです。
主なサービスがお酒の提供なので20歳以上が推奨です。
たとえ18歳でも高校生は基本的に入店を断られます。
法律上は問題なくとも、店舗側が無用なトラブルを避けるために自主規制しているからです。
利用者層、利用シーン
ボーイズバーは男性スタッフによる接客が売りなので利用者のほとんどが女性です。
価格がリーズナブルな為、学生やOLの他に主婦の利用も少なからずあります。
仕事終わりに通常のバー感覚で訪れるお客様もいますし、ホストクラブには抵抗があるが、少し似た雰囲気を味わいたいとボーイズバーを訪れるお客様もいます。
その他、キャバ嬢が仕事終わりのアフターに利用することもあります。
男性向けのボーイズバーもある
利用者層として女性が多いと前述しましたが、逆に男性向けに特化したボーイズバーもあります。
いわゆるゲイ向けのお店です。
数こそ少ないですが、都市部にはいくつかあります。
これまで解説したボーイズバーとは少々サービス内容が異なる場合があります。
店内でのバーテンダー・ウェイターとしての仕事は主ではなくなり、別のサービスが求められます。
ホストクラブとの違い
よく類似の業種として比較されるホストクラブとの違いについて表にまとめました。
ここまでですでに解説した内容も含みます。
ボーイズバーとホストクラブの違い
項目 | ボーイズバー | ホストクラブ |
営業時間 | 24時間営業可 ※深夜営業が可能 | 1部営業:〜24時まで ※特定の地域では〜25時 2部営業:午前6時〜 3部営業:12時頃〜 の3種あり |
接客 | カウンター越し 対面での接客が主 | お客様の隣に座っての接客(接待行為) |
料金 | リーズナブル ドリンク・飲食代の他、チャージ料金があり、一部の店舗でサービス料が必要 | やや高い。 1本1000万円以上するお酒もある サービス料がほぼ必須 |
客層 | 一般のお客様が多い(学生・OL・主婦) 男性の来店もある | 水商売・風俗などナイトワーク系の仕事に従事する女性が多い |
指名制度 | あり、だが永久指名制でないことが多い | 永久指名制 |
体験入店 | 無い事もある。 | 基本的に体験入店は可能 |
各項目について簡単な解説を以下に。
接客スタイルの違い
お客様と男性スタッフの距離が大きく異なります。
ボーイズバーではカウンターを間に挟んで接客を行います。
ホストクラブではお客様の隣に座って接客を行います。
隣に座って接客することを「接待(せったい)」と呼びます。
接待の有無はとても重要で、法律上の営業形態が変わるので遵守すべき法律も異なります。
料金の違い
ボーイズバーの方が全体的にリーズナブルです。
ホストクラブのように1本で100万〜1000万と言った高級ボトルは基本的にありません。
また、テーブルチャージやサービス料など飲食物以外の料金も安めです。
客層の違い
ボーイズバーの方が一般のお客様の割合が多いです。
営業時間的にも、料金的にも圧倒的に利用しやすいからです。
ホストクラブには同じナイトワークで働く同業の女性の割合が多いです。
仕事の話を隠すことなくできたり、ストレス発散にはホストクラブの密着した接客が求められるためです。
ナイトワーク系の仕事に従事している女性は収入が多く、高い料金体系でも気にせず遊べることも関係しているでしょう。
指名制度の違い
両方とも指名制度自体はありますが、接客の違いを表すかのようにその「濃さ」が異なります。
ボーイズバーにおける指名はその場限りのものです。
来店ごとに指名するスタッフを変えても良いですし、指名自体をしなくても良いです。
その時の気分で選ぶことができます。
ホストクラブの場合、指名は基本的に永久です。
よほどの理由がない限りは変更できず、来店のたびに同じホストが接客担当として対応します。
ボーイズバーに比べて擬似恋愛要素が強い接客を行うため、店内でお客様の取り合いを禁止する意味合いがあります。
特集:ホストクラブの指名って何?
ボーイズバーの求人情報について
ここからはホストワークでも取り扱っているボーイズバーの求人情報について解説しましょう。
給料
正社員(レギュラー勤務)とバイト勤務で異なります。
前者の場合は月給制が主で、最初は約20万円前後が多いです。
後者の場合は時給制が主で、最初は約1,000円前後が多いです。
ボーイズバーもナイトワーク業界の仕事に含まれるので昇給や昇格は随時行われることが多く、個人の頑張りが給料に反映されやすい特徴があります。
接客を担当するスタッフの場合は指名を受けることで歩合給が発生します。
ホストに比べるとその額は少ないですが、人気のスタッフであれば固定給の倍以上稼ぐことも可能です。
日払いや週払いに対応してくれる店舗は比較的多いです。
待遇
交通費の支給、有給休暇制度、慰安旅行など働きやすい環境やスタッフの懐に優しい制度を設けている店舗が多いです。
遠方から上京してくる方向けに寮を用意している店舗もありますし、色々と物入りな方には嬉しい入店祝い金を支給する店舗もあります。
ボーイズバーを運営している会社は関連企業をいくつか経営している場合もあり、提携のヘアサロンや飲食店などを割引利用できることもあります。