ホストとは
女性向けの社交飲食店=ホストクラブで接客を担当するスタッフの総称です。
キャバクラの男性スタッフ版を想像するとわかりやすいです。
源氏名
ホストは本名のままで働くことはありません。
仕事上の名前である源氏名(げんじな)を使用します。
ホストクラブ各店で源氏名に関するルールがありますが、基本的には自分で決めることができます。
新人のうちは名前だけで苗字が無い場合が多いです。
ある程度売れっ子にホストになるか、経験を積むと苗字を付けることができます。
ホスト知恵袋:ホストの源氏名って誰が決めるの?ルールはある?
性別
ホストはホストクラブが誕生したその日から男性に限られていました。
しかし、近年では女性が接客するホストクラブも極わずかですが存在します。
その場合、女性のほとんどは「男装」して接客を行います。
ファッション
ホストの仕事着といえばスーツ。
一般的なスーツに比べて派手なのが特徴で、ホストクラブの煌びやかな雰囲気とマッチしています。
スーツを持っていない新人ホストにはホストクラブ側がスーツのレンタルを行っていますので心配いりません。
時代とともにホスト=スーツの関係性も100%ではなくなっています。
より個性を出せる私服での接客を行うホストクラブが増えています。
但し、誰でも私服での接客ができるわけではなく、一定額の売上達成を条件とするなど制限はあります。
特集:私服で出勤OKのホストクラブ
特集:ホストを始める前に知っておきたいファッション&メイク情報
適性
ホストの仕事は自分にもできるのか、どんな人がホストの仕事をするのか、と疑問に思う方は多いです。
適性のある・なしは実際に働いてみないと分らない部分が多いですが、ホストクラブには「体験入店」の制度があるので比較的気軽に、リスク無く適性を知ることができます。
※体験入店については次項の「ホストになる方法・流れ」で触れています。
ホストの適性については専門の特集記事がありますのでそちらをご覧下さい。
特集:ホストになる人の特徴
ホストになる方法・流れ
最終的にホストとして働くまでの流れを解説します。
求人応募を行う
目当てのお店が見つかったり、求人情報について質問したいことがあれば気軽に問い合わせを行いましょう。
問い合わせ方法はホストワークを例に挙げると、電話・メール・SNS(LINE)、フォームの4種類が可能です(お店側の都合で使えない方法もあります)。
質問事項は事前にまとめておくとスムーズなやり取りができます。
電話以外の方法であれば時間を気にせず問い合わせできますが、お店からの返信・返答が受けられるようにしておきましょう。
面接や後述する体験入店の日取りに関して尋ねられることもあるので可能な日を予め決めておくと良いです。
入店の意思確認
体験入店を終えると担当者から入店の意思確認が行われます。
その場で即決しなくても大丈夫です。
家に帰り、気持ち・考えを整理して後日担当者に連絡しましょう。
面接や体験入店を経て、
「ホストの仕事が想像していたものと違う」、
「自分には難しい」、
などを感じるのであれば入店を断るのもありです。
ホストの仕事自体にまだ興味があるならば他のホストクラブの面接〜体験入店に応募してみましょう。
ホストの給料システム
ホストの給料で鍵となるのは「歩合給」と「最低保証(保障)給」の2つ。
それぞれについて解説しましょう。
※ホストの給料に関する総合的なまとめ記事は下記をご覧下さい。
特集:ホストの給料システムとは
最低保証(保障)給
いわゆる成果報酬型の給料です。
ホストの成果とは売上。
お店に多くの利益をもたらしたホストほど、大きな収入を得ることができます。
売上額に対してどれくらいの割合の金額がホストの手に渡るか(歩合率)はお店によって異なります。
大よその目安は50%〜80%ほどです。
歩合率は店舗によってもことなりますが、スライド制の有無でも変わります。
スライド制とは売上額が上がるごとに歩合率も上がるシステムです。
期間限定で歩合率を100%に設定しているお店もあります。
特集:ホスト業界の安定給!最低保証とは
特集:すすきので日給保証があるホストクラブ特集
ホストのルールと禁止事項
自由気ままな仕事と思われがちのホストですがルールはちゃんとあります。
ルールを破れば当然トラブルに発展しますので注意しましょう。
全てをここで記載するには数が多いので代表的なものを解説します。
その他については関連特集で確認して下さい。
お客様の年齢や職業を聞かない
ホストクラブは日常を忘れ、楽しむ空間。
年齢だとかどんな仕事をしているかなど現実的なことはホスト側からは聞かないようにしましょう。
もちろん、お客様側が自ら話してきた場合は問題ありません。
ヘルプとして付いている席で勝手にお酒を飲まない
ヘルプホストは常にサポート役に徹しましょう。
お客様や指名されたホストのお酒の準備をした後はちゃんと確認してから自分の分を作ります。
勝手な行動でお客様を怒らせてしまったら大変です。
他のホストの情報を漏らさない
ヘルプとして席に付いている際に、指名ホストの内情をペラペラと喋るのはルール違反です。
特に指名ホストが別のテーブルに移動している際など不在時はNG。
ホストとお客様のトラブルに発展する可能性があります。
他のお客様の情報を漏らさない
お客様のプライバシーには常に配慮する必要があります。
中にはエキセントリックなお客様もいるでしょう。
ネタにしたい気持ちは分らないでもないですが、お客様からすれば「自分も同じ様にネタにされてるかも」と思ってしまうかもしれません。
他のホストのお客様に手を出す
同じお店で働くホストはライバルではありますが、その権利は守らなくてはなりません。
指名によって繋がったホストとお客様の関係を横取りするのはNG。
これが守られなかったら店内でお客様の奪い合いが起こり、秩序は崩壊します。
最終的に自分自身にも大きなデメリットが発生するので止めましょう。
特集:ホストクラブの指名って何?
直引き(じかびき)
ホスト用語で「お客様から直接お金や物を貰うこと」を意味します。
少しでも多くのお金が欲しいホストと、そんなホストに貢ぎたいお客様の利害が一致した形です。
店内でお金を使うことがほぼ無くなるため、ホストクラブ側は本来得られるはずの利益を失う可能性が高いです。
ほとんどのホストクラブで禁止事項に定められています。
特集:爆弾とは?ホスト業界のタブー・ルール
ホストとお酒
ホストの仕事と切っても切れない関係なのがお酒。
お酒に関する話題を解説します。
お酒=給料
現在のホストクラブのシステムでは売上の大部分をお酒が占めます。
ホストの給料は売上に対する歩合がほとんどですので、結果的にお酒=給料という認識になります。
稼ぐためには少しでも高いお酒を注文してもらうのが大きなポイントです。
ホストクラブには1本1,000円程度のチューハイから、1本数千万のブランデーまで幅広く取り揃えています。
特集:ホストクラブのシャンパン・ボトルの値段
ホスト=酒豪?
ホストの仕事=大量のお酒を飲む、といったイメージがあるために誤解されがちですがホストが全員酒豪なわけではありません。
仕事を通じて少しずつお酒に強くなったホストもいますし、お酒の飲み方を工夫して対応しているホストもいます。
一口飲んだけで酩酊するような方はさすがに難しいですが、お酒の強さに自身が無い方でもやり方次第でホストの仕事は出来る可能性が高いのです。
特集:ホストに学ぶお酒の飲み方
お酒に弱いホストの働き方
お酒に関しては自身がないと自覚しながらも、ホストの仕事に興味がある方もいるでしょう。
そんな方々にもホストとして働く道はあります。
まずは自身のお酒の強さを客観的に知ることから始めましょう。
弱いと思い込んでいるだけで実際は他の人とあまり変わらない、何てこともあります。
特集:お酒に強い?弱い?簡単診断方法
実際に弱かった場合はお酒を飲まずに稼ぐ方法を見つける必要があります。
ソフトドリンクのみにする、同じテーブルのヘルプホストの飲んでもらう、周囲の助けを借りる、飲むこと以外にお客様を楽しませる方法を見つける、などがあります。
自分自身にしっかりと価値を見出せればあのローランドのようにお酒を飲まずとも大きなお金を手にすることができるかもしれません。
特集:お酒が飲めなくても稼ぐホストを紹介
特集:すすきのでお酒が飲めなくても稼げるホスト求人
専業以外のホストとしての働き方
ホストの仕事は専業で働いている方が多いですが、最近はそれだけに留まりません。
新しいホストとしての働き方を解説しましょう。
新しいホストのスタイル
ホストの仕事と言えばスーツを着て、お酒を飲み、夜に働くイメージが強いですが、時折新しいムーブメントが発生します。
比較的新しい2つのスタイルについて解説します。
ネオホスト
お酒は飲まずにソフトドリンク、スーツは着ずに私服で接客する新しいホストのスタイルとしてブームを起こしたのがネオホスト。
ホストの2大イメージであるお酒とスーツを否定するネオホストにはメディアも注目し、一時期はテレビや雑誌で特集されていたほどです。
ネオホストの代表格としてよく名前が挙がっていたのが「櫻 遊志(さくらゆうし)」です。
今現在、ことさらネオホストの名称を使うことは少なくなりました。
相変わらずホストはお酒をよく飲みます。
しかし、私服での接客はこのネオホストのブーム以後はかなり広まっています。
※それ以前からも私服で接客するお店はありましたが
特集:私服で出勤OKのホストクラブ
ホスト知恵袋:ネオホストって今もいるの?
ホストの接客方法(営業)
ホストがどのようにしてお客様を楽しませるのか。
具体的な方法はホストごとに異なりますが、方向性はある程度分類できます。
「営業」とも呼ばれるホストの接客方法のうち代表的なものを解説します。
更に詳しい内容は特集記事を参照してください。
特集:ホストの営業方法とは?
色恋営業
擬似恋愛を提供するホストの最もスタンダードな接客方法です。
あたかも恋人同士のようないちゃいちゃしたやり取りを行います。
少なからず全てのお客様がホストクラブに求めている要素なので失敗が少ないです。
但し、お客様の貴方に対する本気度を見誤ると泥沼状態になることも。
新人ホストが失敗しやすいのが逆にお客様に恋愛感情を抱いてしまうこと。
特定のお客様に入れ込み過ぎると他のお客様の扱いが相対的に悪くなってしまう可能性があります。
オラオラ営業
お客様に対してやや高圧的な態度で接客する方法です。
高圧的と言っても声を荒げたり暴力的な態度を取るわけではありません。
お酒の注文などで選択肢を与えずに決めてしまったり、急に呼び出したり、ホストの都合を最優先で物事を進めます。
万人受けする接客方法ではないので相手を見極めないと指名はなかなか増えないでしょう。
某カリスマホストまで極めれば、それ自体が個性となり興味を持ってくれるお客様は増えるでしょうが。
友達営業
良き友人関係をお客様と築く接客方法です。
擬似恋愛を売りとするホストクラブにおいて、かなりライトな関係性です。
大学生の飲み会のノリのようなワイワイ盛り上がる接客を行います。
色恋営業に比べれば自身のために使ってくれるお金の金額は低めです。
進んで友達営業をするのもありですが、多数のお客様を管理する上で選択肢の1つにするのもありです。
枕営業
お客様との肉体関係を売りとする方法。
肝心の接客部分は店外デートの際に行われるので店内では色恋営業と基本的には変わりません。
ホストにとって究極の営業方法であり、わずか1日でお客様との親密度を急上昇させることができます。
但し、その反動で後々の関係性の維持が難しいデメリットもあります。
枕営業は基本的には秘密裏に行われているものですが、まれにそれを表明して売りにしているホストも存在します。
ホストの退職・移籍・引退
ホストの仕事は基本的に実力主義です。
そのため、自身の力が及ばないことを知って退職を決意するホストがいる一方で、より実力が発揮できるお店を求めて移籍を考えるホストがいます。
その他、惜しまれつつも引退するホストがいます。
それぞれについて解説します。
ホストの退職
ホストの仕事は長年に渡ってブラックなイメージを持たれてしまっています。
特に多いのが「ホストは辞められない」と言うもの。
働きたくないのに無理やり働かされているイメージは業界的にもマイナスです。
では、実際はどうかと言うと拍子抜けするくらい簡単に辞められます。
少なくとも2週間、余裕をもって1ヶ月くらい前に退職の意思を伝えればOKです。
ホスト知恵袋:ホストの仕事は辞められないってウソ?ホント?
ホストの移籍
移籍の理由は様々ですが、やはり多いのはお金のこと。
集客力があり、歩合率が高い稼げるホストクラブが他にあるのなら検討するには十分です。
幸いなことに、お客様とホストクラブ(お店)の繋がりよりもお客様とホストの繋がりの方が強いので移籍した後でもお客様との関係を切らずに再出発することが比較的簡単です。
売上が高い、知名度が高いホストであれば移籍金をもらうことも出来ます。
特集:ホストクラブ業界の移籍について解説
ホストの引退
ホストは数ある仕事の中でも引退のタイミングが早いです。
近年は30代の現役ホストも珍しくはないですが、多くは20代後半〜30代前半でホストを引退します。
引退後にどのような道を進むかはホストによって異なります。
多くの場合は他業種への就職を行います。
ホストの仕事は特殊ではありますが、そこで得た知識や経験は意外と活用できるチャンスがあります。
特集:ホストの仕事で身に付く5つのスキル
売上が高く、人気がある看板ホストの場合は店舗運営・経営側に回ることもあります。
独立志向の強い人は、稼いだ資金を元に企業したり、自身のお店を構えたりもします。
特集:引退ホストの次のステップ